情報基盤センターは、2種類のリモート接続サービスを提供してくれています。これらを利用すれば学内だけでなく自宅等からも、二段階認証の設定、IEDのサーバやGPUサーバへのアクセスが可能になります。
ただし、アクセス情報や画面の表示内容などのセキュリティについて、強く配慮するようにお願いします。インターネットカフェや知人、友人に借りたコンピュータ、電車や飲食店、オープンスペース等からのアクセスなどを念頭においています。
SSH トンネルによる学内 Web の閲覧に書かれた手順を踏み、手許のコンピュータにSOCKSの設定を行うと、次のことが可能になります。
SSHは、情報基盤センターのサーバのUNIX環境に学外からログインするために用意されているサービスです。 Windowsを使用しているコンピュータには、PuTTYやTeraTermなどのSSHクライアントをインストールし、接続先のサーバに sol.cc.uec.ac.jp、ログインしますのでアカウント名(ユーザ名?)に情報基盤センターにログインする際に使用しているものを、指定してください。
macOSが動いているコンピュータにはSSHのクライアントがインストールされています。ターミナルを起動するか、iTerm2などのターミナルエミュレータをインストールして起動した上で、次の1行をコマンドラインで打ち込んでください。
ssh [UECアカウント]@sol.cc.uec.ac.jp
PuTTYならば、次のように設定して、〔Open〕をクリックし、接続を開始してください。
学内のプロキシサーバを学外から利用することには、次のような目的があります。
学内のプロキシサーバを学外から利用するには、SSHのポートフォワーディングという機能を使います。ローカルホストの8080番ポートと学内のプロキシサーバの8080番ポートを繋ぐと、学内のプロキシサーバを学外から使うことができます。
ssh -L8080:proxy.uec.ac.jp:8080 [UECアカウント]@sol.cc.uec.ac.jp
このようにログインした後は、インターネットプロキシの設定を
サーバ | localhost |
ポート | 8080 |
と設定すると、学内のウェブサーバにアクセスできるようになります。
〔Category〕の中のツリーの下の方に〔Tunnel〕という項目を見つけてください。 そこをクリックすると、ダイアログが画面のような内容に切り替わります。
ここで、次の順に操作してください。
これらの操作の後、[Forwarded ports]という枠の中に「L8080 proxy.uec.ac.jp:8080」という表示が追加されます。この状態で〔Open〕をクリックすると、ローカルフォワーディングを有効にしたSSH接続が確立されます。
学内のホストと通信を行うことには、次のような目的があります。
学内のホストと通信を行うには、通信路の確立には、SSHのダイナミックフォワーディングという機能を用い、アプリケーション側のSOCKSプロキシを利用する機能と組み合わせて実現します。
ダイナミックフォワーディングは、ローカルホストの特定のポートをSSH接続先のホストから任意のホストの任意のポートとの通信のためのSOCKSプロキシの役割を果たさせます。ローカルの1080番ポートにSOCKSの役割を果たしてもらうには、次のオプションを設定します。
ssh -D 1080 [アカウント名]@sol.cc.uec.ac.jp
PuTTYならば、次のように設定して、〔Add〕ボタンをクリックして下さい。これでオプションが追加されます。
これで、例えばメーラのSOCKSプロキシの設定に
サーバ | localhost |
ポート | 1080 |
と設定すると、メールアカウントの設定を変更することなく、学外から学内のメールサーバにアクセスできるようになります。
〔Category〕の中のツリーの下の方に〔Tunnel〕という項目を見つけてください。 そこをクリックすると、ダイアログが画面のような内容に切り替わります。
ここで、次の順に操作してください。
これらの操作の後、[Forwarded ports]という枠の中に「D1080」という表示が追加されます。この状態で〔Open〕をクリックすると、ダイナミックフォワーディングを有効にしたSSH接続が確立されます。
X-Window用のGUIを持つソフトウェアをリモートホストで起動して、学外のコンピュータで用いるには、X11のフォワーディングを多段で行います。これを多段接続、多段フォワーディングなどと言います。
ssh -X [アカウント名]@sol.cc.uec.ac.jp (通常はこちらで可能) ssh -Y [アカウント名]@sol.cc.uec.ac.jp (こちらでないといけないと要求されたときのみ)
例えば学内に自前のホスト mew.inf.uec.ac.jp を持っていて、その上でMozzila Firefoxを起動して、自宅のコンピュータから操作したい場合には、次のように多段接続をして、フォワーディングも多段で繋ぎます。
home$ ssh -X [UECアカウント]@sol.cc.uec.ac.jp
sol$ ssh -X [mew.inf.uec.ac.jp上のアカウント]@mew.inf.uec.ac.jp
プライベートIPアドレスを持つ学内ホストでも可能です。
以上の3つ、ポートフォワーディング、ダイナミックフォワーディング、X11フォワーディングを同時に組み合わせて用いることも可能です。
home$ ssh -D 1080 -L8080:proxy.uec.ac.jp:8080 -X [UECアカウント]@sol.cc.uec.ac.jp
sol$ ssh -X [mew.inf.uec.ac.jp上のアカウント]@mew.inf.uec.ac.jp
これで、メールはsol上からの送受信、ウェブはsolとproxyを経由しての送受信、X11は自前のサーバ上での動作、となります。
なお、本学では2020年度中に鍵ペアによるログインが必須になる予定のため、早めに対応しておくことをお勧めします。これ以上のことは情報基盤センター提供のページを参照してください。
VPNは学外で使用している端末に、学内のネットワークに直接に接続しているように動作させるサービスです。 これを用いても学外からのアクセスが制限されているサーバに、学外から直接にアクセスできるようになります。 ただし、流さなくてもよいパケットも大学のネットワークに流れますので、SSH接続の方を推奨します。
どうしてもVPNで接続しないといけない方は、接続しての用事が終わったら、即、お切り下さい。またこちらを参照してください。 事前共有鍵の取得には、学内からのアクセスが必須です。
IEDのサーバにログインするには、情報基盤センターのサーバに鍵を置き、そこからSSHでログインすることをお勧めします。現時点では情報基盤センターはパスワードのみでログインすることが可能なため。
IEDのサーバへのログインには、鍵ペアによるログインが要求されます。 まず一度は、IEDに実際に出向いて端末にログインし、秘密鍵と公開鍵を生成しないと、外部からの利用は可能になりません。設定方法を確認してください.
IEDのGPUサーバで稼働しているJupyter Hubを利用するには、SSHによるポートフォワーディングとVPNのいずれでも可能です。稼働状況確認ページ(学内限定アクセス)を御覧ください.Jupyter Hubへのリンクもあります.
UECアカウントのパスワード変更や、二段階認証の設定など、情報基盤センターが学内限定で提供しているサービスの利用は、SSHとVPNのいずれでも可能です。
本学では2019年12月より、学務情報システムなどのUECアカウントを用いてログインして使用するサービスへの学外からのアクセスに、二段階認証が必須となりました。 SSHとVPNのいずれによっても、二段階認証の学外から設定が可能になります。
なお学内からのアクセスには、二段階認証は課されません。
学内に研究用の計算資源を設けるには、コンピュータにUNIXをインストールして設置するのが便利です。プログラム実行や計算のために、GUIを使用したり、リモートデスクトップ接続を利用するのは、少しリソースが勿体ないです。
しかしインターネットに直接に接続するのはセキュリティリスクが高すぎます。情報基盤センターのサーバを経由した接続経路の確保が望まれます。
さて、SSH接続が途切れると、ログインに使用したシェルが終了するため、フォアグラウンドで走らせていたジョブは一緒に終了します。学内で運用されるコンピュータを計算用に用いる際には、せっかく途中まで進んだ計算を、また一からやり直さずに済むよう、端末多重接続ソフトウェアを覚えると便利です。